尊敬の距離

日本ではよく「日本には敬語があるが、英語には敬語がない」と話題に上がることがあると思います。宇多田ヒカルのデビュー当時の頃、テレビでどこぞのお偉いさんと話していても「へぇ~ そうなんだ」とタメ語で話しているのを見てびっくりした覚えのある方もいるかと思います。わたしも、そんな彼女の話し言葉にびっくりした一人です。(笑) 

実際にはもちろん英語でも敬語がありますが、B to Cでもない限り使われているのをみたことがありません。実の親も名前で呼んだりしますしね。じゃあどうやって相手を敬うの?と不思議になると思います。

そこで今回は自分の海外経験もふまえたうえで「尊敬」の表し方、相手との距離感について考えてみたいと思います。

  

尊敬を表す要素

私の体験からの話ですが、尊敬を表している要素は3つあると思います。

「言葉遣い」「態度」「行動」です。日本ではこの3つの要素を守ることで相手に対して敬っているということを体現していると思います。

そういったことから外国で敬語がないといわれている国では「態度」「行動」で尊敬を表しているのではないかと思います。

 

1・言葉遣い

いわゆる敬語です。謙譲語や尊敬語をつかわずとも、最低限丁寧語の「です・ます調」を守るだけでも十分尊敬をあらわしていると思います。部活の上下関係や、就職してはじめて言葉の壁にぶつかる人も多くいるようですが、前まではできないといけない・できて当たり前でしたが、最近はだいぶ緩くなっていて「できていると素晴らしい」と基準が変わってきていると思います。

 

2・態度

相手に何かを教わっている際に足を組まない、相手の目を見て話す、など相手に対して向き合っているかを表す要素です。
もちろん目に見えるだけのことではなく、自分の言いたいことだけを伝えて相手の話を聞かない、話を遮るなどはもってのほかですが、自己主張をするのと相手の話を聞かないのを混同していて何が悪いのかわからないという人も少なからずいるようです。

 

3・行動

言われたらすぐやる、言われたことを忘れない、その人のために何かをやるなどの要素です。極端に言うと相手の優先度を自分よりも高くすることです。
部活で後輩が片づけをする、会社の上司と食事をする際に飲食店で飲み水を自分の分だけでなく、上司の分も一緒に汲んでいくなど、気遣いの部分も含まれると思います。

 

最近の日本の若い人が敬語を使わずに仲良くなろうとタメ語で話すという行動をとることがありますが、ほかの二つの要素を維持できればそれもよいと思います。でも、実際に私の身の回りで目にするのは「言葉遣い」が崩れると他も一緒に崩れてしまうパターンです。

その点外国では言葉遣いこそ敬語ではないですが、相手を敬っていることを態度で表していて成立していました。このあたりは文化が違うので、日本では難しいのだと思います。

自分は良いつもりでも、周りからは「なんだこいつ」とみられる礼節に厳しい日本ですから、まだまだタメ語で話すのはやめておいた方がよさそうです。。

普段何気なく相手に対してとっていた行動や態度ですが、こういった総合力で尊敬していることの距離感をはかっていたんですね。

Takashi

ワーキングホリデーで2か国、ネットショップ実務士、健康管理士として様々な体験をしてきた管理人です。いつか山を一つ買い取って桜の木を全体に植えて”桜の山”を作ることが夢です。

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